ロボット支援手術
腎臓や尿管、膀胱、前立腺といった内臓に対する手術は昔からある開腹手術の方法がありますが、傷が大きく、出血量が比較的多く、術式によっては自分の血液を貯めておき(自己血輸血)、手術が行われるケースがありました。
それから腹腔鏡手術の導入、10年ほど前からこのロボット支援手術が導入されています。開腹手術と比べて、傷が小さい、出血が少ないという利点、腹腔鏡手術と比べて細かい操作ができるという利点から世界的に急速に広まり標準的な方法となりました。
腹部に10mmほどのポートと呼ばれる器具を腹部に挿入するための穴を作成します。そこからカメラや、先端にハサミや電気メスをつけた細長い鉗子(かんし)と呼ばれる器具を挿入します。
鉗子を医師が直接持って操作をする方法が腹腔鏡手術で、ロボット支援手術はそれを器具に装着し、器具を間接的に医師が操る方法です。
本邦では、
- 腎がんに対するロボット腎摘、ロボット腎部分切除
- 腎盂尿管がんに対するロボット腎尿管全摘
- 膀胱がんに対するロボット膀胱全摘+尿路変向術
- 前立腺がんに対するロボット前立腺全摘
- 副腎腫瘍(良性を含む)に対するロボット副腎摘除
- 腎盂尿管移行部狭窄症に対するロボット腎盂形成術
と多くの術式があります。
どの術式も腹腔鏡の方法、開腹の方法でも可能で、目的としている腫瘍の摘除、再建の方法は変わりません。