悪性腫瘍(ガン) 癌・肉腫
泌尿器科の手術のほとんどは悪性腫瘍「がん」に対する手術です。泌尿器科で扱う臓器である、副腎、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、精巣すべての臓器で「がん」が存在します。他にも稀ですが尿膜管、後腹膜領域にも「がん」が発生します。
悪性腫瘍「がん」は進行すると周囲の臓器へ広がり、血液やリンパ液の流れに乗り遠い離れた臓器に転移を生じます。早めに見つかった早期の「がん」から進行がんまで手術治療は選択肢となります。「がん」の病巣を体外へ摘出する手術です。
手術によって摘出されるものは「がん」の部分だけでなく正常な部分も摘出せざるを得ないことがありますので、その場合にはその臓器のもともとあった機能がどのように保たれるのか検討する必要があります(例えば腎摘に伴う腎機能の悪化、前立腺全摘に伴う性機能の障害、膀胱全摘に伴う尿路変向)。
そのような「がん」の診断には、組織の一部を採取する生検検査が重要です。前立腺がんに対する前立腺生検、腎盂尿管がんに対する尿管鏡検査、膀胱がんに対する経尿道的膀胱腫瘍切除術などです。
また、他診療科の「がん」の影響で尿の通り道が狭くなることがあります。その場合には尿管ステント留置術、腎瘻造設術が行われます。